ご好評をいただいている「ゴートヌメ」シリーズを、よりナチュラルな表情に仕上げた「ゴートベーシック」。
頼りになる軽さと丈夫さ。長く使えるシンプルさ。
ゴートは、牛革などに比べると一般的にはなじみの薄い素材ですが、gentenではその特性に注目して、19年ほど前からバッグや小物づくりに生かしています。
ゴートの魅力は、なんといっても軽くて丈夫なこと。薄い革ですが、繊維質が緻密で弾力があるため、銀面(革の表面)の強度があります。それでいて、しなやか。さらに雨染みにも強く、扱いやすい革です。だからこそ、革のバッグは初めてという方でも手に取りやすく、ゴートは幅広い世代のお客さまに愛され続けています。
「ゴートベーシック」は染色と加工、縫製を東京都内で行っているシリーズです。
ムラ染めをしたあとに、グレージング加工というひと手間をかけています。グレージング加工は、革の表面にメノウなどの石をあてて磨き上げ、摩擦によって透明感のある艶や色の濃淡を出す技法です。
定番素材であるゴート(山羊革)ですが、シリーズによってこれまで少しずつ革の加工方法を変えてきました。
「ゴートヌメ」では、使い始めからエイジングの風合いが楽しめるよう、「バフ加工」という“焦がし”を製品に入れることでヴィンテージ感を演出していました。
リニューアル後の「ゴートベーシック」では、製品にする前の革の段階でグレージング加工を取り入れ、ゴートの革そのものの持つ豊かな表情の魅力を引き出しています。
グレージング加工で使用するのは、アームの先端に円筒形の石がついたマシン。アームを動かし、石を革に押しあてる作業を繰り返します。職人は革の繊維方向を見極めながら、絶えず革を手で動かし、石が触れる場所を変えてゆきます。
革の銀面(表面)を摩擦熱と圧縮によって強く緻密にすることで、透明感のある美しい光沢と色の濃淡が生まれます。傷やシワを隠すために革表面に余計な塗装をして綺麗にしてしまうのではなく、あくまでも素肌の革を活かした染料仕上げだからこそ活きる加工です。
ゴートはgentenで長く扱っている素材ではありますが、今回、加工方法を変えたことで苦労もありました。
銀面(革の表面)に見られるキズ跡が、グレージング加工を施したことでより浮き出てしまったのです。使用する原皮の質をさらに上げ、染色方法を工夫し、試行錯誤の末に、美しい仕上がりを実現しました。テストは10回以上に及びましたが、17年に亘って共にものづくりをしてきた職人は、根気強く要望に応えてくれました。
「ゴートベーシック」は、確かな信頼関係があるからこそ、辿り着けたシリーズです。
仕上がったのは、日々の装いにコーディネートしやすい色。写真左から、グレー、キャメル、ネイビーです。
グレーは、gentenらしいあたたかみのある色です。次第に赤味が強くなっていき、さらに奥行きのある色味へと変化していきます。
キャメルは、革らしさが味わえる色。グレージング加工による透明感によって、キャメルという色が上品さをまとっています。使い込んだ後のエイジングの魅力が最も感じられる色です。
ネイビーは、少し緑がかったインディゴのようなこだわりの色に仕上げました。青色の革は緑味を帯びて経年変化していく特性があることから、その変化を自然に楽しめる色を追求しました。
※型によっては、”クロ”の展開もあります。
ここでは8型をご紹介します。
ゴートヌメでもともと人気のあった形を機能や使い勝手の良さは維持しながら、より快適に使って頂けるよう、細かなディティールをスッキリとまとめたデザインにリニューアルしました。普段使いのしやすさをモットーに、新たな形も展開しています。どれも年齢や流行を問わず、長くお使いいただけるものです。
8型で共通しているのは、しなやかでやわらかな革の性質を生かして、袋縫いや折り返しを多用していること。端の部分などはできるだけミシンをかけずに、やわらかな表情になるよう工夫しています。
最初にご紹介するのは、大きく開くフラップが出し入れしやすく、A4サイズの書類も収納できるリュック。両手が空いて収納力も十分なので、仕事はもちろんのこと、小さなお子さんとのおでかけにもおすすめです。
リュックに限らず、「ゴートベーシック」は、使い勝手の良さとカジュアル感を大切にして、すべてファスナー仕様にしています。
ファスナーは世界でトップシェアを占める日本のファスナーブランドYKKのエクセラ®です。エクセラ®は、メイドインジャパンならではの高度な技術で、務歯(むし)と呼ばれる細かい歯ひとつひとつが研磨機で丁寧に磨き上げられているもの。
エクセラ®を選ぶ根底には、「愛着のあるものを長く使っていただきたい」というgentenの想いがあります。
こちらは、先ほどのリュックよりもコンパクトで、身軽なおでかけにぴったりです。必要なものの収納には十分なサイズ感なので、街歩きや旅先でのサブバッグとして活躍します。
トートバッグは、ハンドルから続く2本のラインがすっきりとした印象を与えるデザイン。A4サイズの書類も収納できて、スーツスタイルはもちろん、カジュアル通勤のおともにもぴったりです。
ゴート(山羊革)のやわらかな素材感を生かした丸みのあるフォルム。ショルダーベルトは取り外してもお使いいただけます。
大きめのフラップを備えた安心感のあるつくり。持つほどに革が自然と身体のラインに添い、なじんでいくのを実感できるバッグです。
長財布や手帳もすっきり収まるスクエアのシルエット。端の始末に袋縫いを採用することでカチッとしすぎず、やわらかな印象が漂います。
シックな表情のトートバッグは、横長のつくりで荷物が見渡しやすいのも特徴。天ファスナーの両サイドにもパスケースなどを収納できるスペースを設けています。
幅広いシーンで活躍するミドルサイズのトートバッグ。収納スペースが3室に分かれていて、職人技を感じる凝ったつくりです。マチ幅もたっぷりで見た目以上の収納力があります。
「ゴートベーシック」の8型を紹介しました。ベーシックなデザインで長く使え、ゴート(山羊革)という革の魅力を体感できるバッグを手にしてみてはいかがでしょうか。
ゴート(山羊革)は比較的摩擦に強く、多少の汚れは乾いたタオルなどでサッと拭くだけでキズやシミが付きにくいのが特徴です。 その扱いやすさもゴート(山羊革)が人気を博している理由ではないでしょうか。gentenのデリケートクリームやコンディショニングクリームは使用可能。お手入れの時間がなかなかとれないという忙しい方にこそおすすめのシリーズです。