1. TOP
  2. 大切な革バッグのためのお手入れ ミネルバボックスとミネルバリスシオ編

大切な革バッグのためのお手入れ
ミネルバボックスとミネルバリスシオ編

今回はトスカシリーズでおなじみのミネルバボックス、アマーノやカットワークシリーズで使用しているミネルバリスシオ、gentenを代表する2つの素材のお手入れ方法の基本をシーンごとにご紹介。天然素材である革は、使えば使うほどツヤが現れて、味わいが増していきます。革製品を長く快適にお使いいただき、美しい経年変化を重ねていくためには、スキンケアと同じでふだんのお手入れが大切です。

バケッタレザー「ミネルバボックス」「ミネルバリスシオ」
水や汚れを防いで潤いを補う、普段のシンプルケア

ミネルバボックスとミネルバリスシオは、フィレンツェにある名門タンナー、カルロ・バラダッシ社のバケッタレザーです。植物性のタンニンだけを使用し、古来から伝わる「バケッタ」という製法で丁寧に作られています。使っていくうちに表面にオイルレザー特有の奥行きのあるつやが現れ、透明感のある経年変化(エイジング)が楽しめるのが特長です。

ミネルバボックスとミネルバリスシオは、内部に天然のオイルをたっぷりと含んでいるので、使い始めは、やわらかい布で乾拭きして、休ませるだけのシンプルなケアでも十分です。

ただし、ヌメ革の特性としてどうしても水気には弱いので、濡れたらすぐに拭くことを心がけてください。こまめに防水スプレーをかけることもおすすめです(防水スプレーの使い方は次の章でご紹介します)。表面が少し乾燥してきたなと感じたら、クリームを使ってケアしましょう。

■買ったその日や雨の季節のお手入れ
【防水スプレーの使い方】

革製品をきれいな状態で保つために、有効なケアのひとつが防水スプレーです。梅雨の季節や雨が降りそうな日でも、あまり神経質にならずにバッグをお使いいただけます。gentenの「ウォータープルーフスプレー」は、革の質感や通気性を損なうことなく、水や汚れからバッグを守ってくれます。とはいえ、やみくもに吹きかければいいものではないので、使い方のコツをご紹介します。

スプレーをする前に、やわらかい布で表面を乾拭きして、ほこりや汚れを落としておきます。

防水スプレーを吹きかけるときは、できれば庭やベランダなど屋外で行いましょう。使用前によく振って、バッグから30~40㎝ほど離して、ふんわりと円を描くようにまんべんなく吹きかけます。スプレーしてからしばらくは空気中に液が霧状に舞っているので、バッグ全体にまとわせるようにくぐらせましょう。そのまま30分以上おいて乾燥させて終了です。

バッグのハンドルは手で直接持ったり、腕に掛けて持つことが多いので、汗や日焼け止めクリームなどで汚れたり、変色したりしやすい部分です。こまめに防水スプレーをしましょう。

■うるおいを補う普段のお手入れ
【クリームを使ったケア】

乾拭きをしたり、クリームを馴染ませたりするときに使うクロスは、綿100%のものがベスト。繊維の凹凸が少ないため、革の表面をしっかりと捉えることができます。なければ着古したTシャツや肌着などでもいいでしょう。細かい部分のお手入れがしやすい、ドライブ用や園芸用のコットン100%の手袋もおすすめです。毛足が長く、目の粗いタオルは避けましょう。

お手入れをしやすいように、バッグの中身をすべて出したら、全体を軽く乾拭きします。ハンドルやショルダーベルトも忘れずに拭きます。

バッグの金具や縫い目などの部分はほこりがたまりやすいので、気になる場合はブラシを使って落としましょう。

クロスに1円玉大程度の保湿クリームをとり、よくなじませて浸透させます。革に直接クリームをつけるとシミの原因となるのでやめましょう。

指にクロスを巻き付け、底面や角など目立たない場所から塗り始めて、全体に薄くのばすようにクリームを塗ります。クロスで円を描くようにまんべんなくなじませましょう。

ある程度塗り終わったら、手で全体を軽く揉んで革に含まれているオイル分を動かし、再び保湿クリームを塗るとより効果的です。

■カットワークシリーズのお手入れ

ミネルバリスシオを使用したカットワークシリーズも、基本のお手入れ方法は同じです。ただ、凹凸の部分にほこりがたまりやすいので、かき出すようにブラッシングします。

保湿クリームを塗るときは、コットン100%の手袋を使うとカットワークの細かいところまでなじませることができます。指先でクリームをのばして、手のひらでやさしくなじませるのがポイントです。

 

 

水濡れや引っかきキズが
気になるときのお手入れ

■雨など少し水に濡れたときは

雨に濡れたり、水をこぼしてしまったなどの場合は、すぐに乾いたタオルなど吸水性の良い布で軽く押さえるように拭きとって、風通しのよい日陰で陰干しして下さい。ドライヤーや直射日光、乾燥機などは使用しないように。gentenの革はナチュラル仕上げなので、水に濡れたまま放っておくとシミの原因になります。

■濡れたシミや経年による汚れは

おしぼりよりももう少し水分を含ませたタオルやクロスで、シミや汚れの部分を軽く叩き、徐々に範囲を広げながら均一に拭いていきます。その後、カビを防ぐために最低1~2日程度は風通しのよい日陰で陰干しした後で、普段のお手入れ同様に、保湿クリームを塗ります。

■爪先のひっかき傷ができたら

爪で軽くひっかいた程度の傷なら、乾いたやわらかい布や指の腹でこするだけで目立たなくなることも。強くこすり過ぎないようにご注意下さい。薄くクリームをなじませたクロスで、円を描くようになじませると目立たなくなるでしょう。

爪でひっかいた部分が傷になってしまいました。

うすくクリームをなじませたクロスで円を描くようにこすります。

キズが目立たなくなりました。

シボがなく、なめらかなミネルバリスシオのほうが傷が目立ちやすいといえます。アマーノやカットワークシリーズは、傷と逆の方向にクリームをなじませてみてください。

また、バッグの底など角の部分がくすんで見えるようになったら、革が乾燥してきた証拠です。保湿クリームをなじませたクロスで細かい部分までクリームをきちんと塗ることで、くすみが目立たなくなります。

gentenのケア用品でいうと「デリケートクリーム」で水分を補い、「コンディショニングクリーム」で油分が逃げないようにフタをしてあげるイメージです。革というのは動物の肌なので、ケア方法もスキンケアと考え方は同じなのです。

 

 

しばらく使わない革バッグは
風通しのよい場所に保管します

しばらく使わないバッグを保管するときは、中身を全部出して、はたいて中のほこりを取ります。裏地付きのバッグの場合は、裏地をひっくり返してブラッシングしておくと、細かい汚れやほこりがきれいに取れます。

ブラシでバッグ表面のほこりを丁寧に落としてから保湿クリームをなじませます。クリームを塗ってからすぐにしまわず、必ず自然乾燥させてから、買ったときの布袋に入れて保管します。湿気がこもってしまうビニール袋は避けましょう。

防虫剤や乾燥剤は、革に触れると変質を起こしてバッグの色や質感が変わってしまう可能性があるので使用しないことをおすすめします。

型崩れを防ぐためには、重ね置きしたり、バッグの中にバッグを入れるなどを避け、中に丸めた紙などを入れるといいでしょう。ただし、新聞紙は内装にインクがうつるのを防ぐために、一番外側は無地の紙などでくるんでから入れると安心です。

保管場所は直射日光が当たらず、できるだけ風通しの良いところがおすすめです。部屋の中にバッグを掛ける場所があるなら、そこに掛けておくので十分。クローゼットや押し入れに収納するときは、ときどき扉を開けて風を通してあげましょう。

革バッグのお手入れの基本は、1「水気と乾燥を防ぐ」、2「汚れを落とす」、3「水分と油分を補う」というごくシンプルなものです。気づいたときに手で革に触れて、ケアをしてあげることで、良い状態で長くお付き合いいただくことができます。ぜひお試しください。

デリケートクリーム、コンディショニングクリーム、防水スプレー、ブラシ、クロスがセットになった「gentenレザーケアキット」はレザー製品全般のケアに必要なものが揃っています。
※2019年8月よりアップグレード版を販売中。

関連記事はこちら:大切な革バッグのためのお手入れ
ゴートヌメ編
カーフ編